2011年03月27日

完璧を求めるあまりに人をダメにする

完璧を求めるあまりに人をダメにするとは、セルの元で演奏していたことのあるヴァイオリニストの言葉であるが、私はこの言葉にドキッとした。

それは、プロの世界だから、指揮者に気に入らなければクビになってもしょうがないと片付けられることではないと感じたのである。

よく、読書をするように勧められることがある。また、音楽に携わっている教師であれば、たくさんの音楽を聴いたり、自ら演奏活動の経験をすることは大切なことだろうと思う。

しかし、馬の耳に念仏という言葉があるように、自分が馬の耳であったら何にもならない。

それはプロの世界のことだとか、ネコとクジラがどうして同じなんだなという思考回路では、いくらたくさんの情報を得ても無意味だろう。

「あいつは、いい生徒を集めている」

とは、私がよく言われたことである。

この言葉の中身を追求すれば

「あいつは、いい生徒を集めているからできるんだ。オレのところはいい生徒が集まらんからうまくいかない。いい生徒さえ集まれば、オレなんかもっと・・・」

ということなのだろう。

これは、裏をかえせば、自分の指導力のなさは考えてみないということではないか?

こう言うと、穿った見方をする人の中には、自分の自慢だととる人もいるようだが、私は自分の指導が優れているなどと思ったことは一度もない。
私の指導の基本は、前にも述べたが伸びる芽を摘まないということである。いかに指導者が邪魔をしないかということである。
だから「オレがオレが」という人は好きではない。

ある中学校で、成績のプログラムを依頼されたことがある。
成績のプログラムと言っても、テストの結果やその他のデータを合わせて、ちょうど病院の患者のカルテのようなものを作る考えだった。

言われるように作ってみると、A4の用紙に成績一覧と偏差値やグラフなど、その生徒の概要が印刷されて出てきた。

その出てきたものを見た時、私が即座に感じたことは「こんな風に生徒を見るのはかわいそうではないか」ということだった。
いい悪いというより、直感的にである。

まるで、車の性能評価のように見えた。

一見、便利なもののように思えるが「これが人間の全てか?」と思ったこと、そうではないと否定したところで、これが一人歩きしたらかえって否定する材料、欠点は何かというところばかり探すものになりはしないかと思ったのである。

いいところも出ていると言っても、それでは、励ます材料に使うのかというとはなはだ疑問に思った。

aa_kantoku.jpg
教師は保護者と懇談するとき、どんなことを話すのだろう?
成績を見れば、当然、親子ともども気になる。
何が気になるか?
だいたい、悪いところが目につくように思う。

「あら、よかったねえ」

という母親は、私の経験ではまれだった。

指導の基本として叱るよりほめろという言葉があるが、いいところを見つけてほめるというのはやさしいことではない。それに、もっとという欲があるせいか、ほめていては生ぬるいという気持ちがあって、つい叱るというか悪いところをつくということになってしまう。

指導に長けた人はほめ方がうまいと思う。
ほめ方がうまいというのは、ほめる技術ではない。
ほめている言葉に説得力があり、迫力を感じる。

これは、私自身、恩師から経験している。
厳しかったが「そうだ、それでいいんだ」とはっきり言われると、驚くと同時に、すごく自信がついたものだった。

それは、内容がすごくわかっていて、その変化にすごく敏感で、すかさず良い変化を指摘するというようなものだ。
だから、ほめる効果というのは、ほめる人がよくわかっていなければ効果がない。
よくわかってもいない人から、ほめられてもあまり嬉しくないのだ。

それをわかっていない人は「むやみにほめてもダメだ」なんて言う。

sonotoki.jpg間もなく、プロ野球も開幕であるが、プロの世界では監督、首脳陣のお目にかなわない人は、トレードや戦力外通告されたりする。

しかし、プロというのは、ある一定以上のレベルを持っている。
だから、本当に実力を発揮したら、平凡とみえる選手でも驚くほどの活躍をすることがある。

楽天の山崎選手は、戦力外通告を受けてから楽天に入団し、野村監督の元でワームラン王をとった。
元・読売巨人軍の広岡達郎氏は監督した球団すべてを優勝させたように思う。

学校の教師と生徒の関係は、このようなプロの世界ではないが、名監督、名指揮者、つまり名リーダーの人格と采配、その配下で働いた人の活躍や言葉は、指導者たる教師にも得るところが多いと感じている。

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posted by edlwiss at 15:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 教育研究
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