2011年04月01日

教員なら文書作成のプロを目指そう

教員は文書を作成する作業が多い。
文書作成のプロを目指すというより、すでにプロと言えるのかも知れない。

どちらにしても、文書を作成において、今日の最も先端のノウハウを身につけることは、教員にとって武器になることは間違いない。

すでに、実践している人にとっては当たり前のことなので、読み飛ばしていただければいいと思うが、文書作成といえばMicrosoft Wordしかないと思っている人にとっては役に立つことと思うので、今まで私がやってきたことを通して紹介してみたいと思う。

1.DTP(DeskTop Publishing)

それまで、活字を拾うなどして出版の仕事は行われていた。
それが、パソコンでできるように仕事が集約されることになったことで、印刷業界には革命的な異変が起きた。
パソコンとそのソフトがあれば、誰でも版下が作れるようになったからである。

Macintosh.jpg


それはMacintoshから始まった。

Macintosh(マッキントッシュ)と言えば、米Apple社のパソコンと思っている人は多いと思う。
そうには違いないが、MacintoshはMacintosh研究所の思想をApple社によって実現したものである。
Macintoshが画期的であったのは、今でこそ当たり前のように思うが、マウスで絵が描けてしまうことだった。

他のパソコンでは難しかったことが、Macintoshではいとも簡単にできてしまったのである。
もちろんまだWindowsは存在しなかった。と言うか、Windowsは明らかにMacintoshの真似であるということから、訴訟問題に発展した。

2.DTPで使われるソフトウエア

プロのデザイナーを目指す人が、買い揃えるソフトが以下の3つで、三種の神器と言われる。

Illure.jpg
(1)Illustrator

「イラストレーター」と読みます。プロのデザイナーの間では「イラレ」と呼ばれています。
絵を書くソフトであり、まさにこのソフトがDTPを牽引したと言えます。
Adobe(アドビ)という会社が開発し、DTP関係のソフトに関して強い力を持っています。
DTPの技術を身につけるには、まずこのIllustratorの操作を身につけることが肝心です。

絵を書くソフトと言えば、WindowsについてくるPaintソフトのようなものを想像する人がいるかも知れませんが、そのようなイメージを描いていると、戸惑います。
このソフトの攻略のポイントは「ペーツール」の操作をマスターすることだと思います。

初めての人は、何でこんな使いにくいソフトをと思うかも知れませんが、それはこのソフトの凄さを知らないからであり、使い方がわかってくるとその威力を知ることになると思います。

このソフトが他の描画ソフトと大きく違うのは、他のペイント系と言われるソフトが、いわゆる塗るという感覚で、点の集合体で絵を作っているのに対し、Illustratorはベジェ曲線と言われる関数からできているという点です。
これは、モニターやプリンターの解像度に依存することなく、無限の連続で絵を書いているということです。
だから、パソコンで作った絵が、出版業界で使われる版下になることができるのです。

Photoshop.jpg(2)Photoshop

「フォトショップ」と読みます、画像を編集するソフトです。
これで絵を描いている人もいますが、通常は、写真の加工やIllustratorで作った絵を他の形式の画像データに変換して編集したりするのに使われます。
Illustratorと同じAdobeの製品です。











Indesign.jpg(3)InDesign

「インデザイン」と読みます。同じくAdobeの製品です。
これは、新聞やチラシのレイアウトを作るのに使われます。
このソフトだけで、通常のワープロソフトのように文字を入力すこともできますが、プロは普通、エディターと呼ぶソフトで作った文章(テキストデータ)を、このソフトに流しこむようにして使います。

全体の調和を考えながら、写真や図、文字の大きさ配置などを自由自在に調節できます。
こういうレイアウト専用のソフトに使い慣れると、もうWordに戻れなくなるでしょう。

実は、このInDesignは比較的新しいソフトで、以前はQuarkXPressというソフトが三種の神器の一角を占めていました。そして、それにPageMakerというソフトが対抗していました。
商用の印刷物の版下を作る出力センターの圧倒的信頼を得ていたのがQuarkXPressで、Quark社によって作られましたが、現在はInDesignにシェアを奪われています。
InDesignは特に日本語に強いので、これから使う人はInDesignを選択した方が良いでしょう。

AdobeCSD.jpg以上、DTPにおける三種の神器を紹介しましたが、すべてAdobe社の独占状態ですが、他の追従を許さないため、いたしかたないでしょう。
独占状態だからというわけではないですが、これら3つを揃えると、結構な価格になります。

私がこれらを揃えた頃、全部で40万円ほどかかりました。
また、Macintosh版しかありませんでしたが、Windows版も開発され、それまでDTPと言えばMacintoshの独壇場で、出力センターもMacintoshにしか対応していませんでしたが、最近はWindowsでも対応するようになりました。

その上、教職員や学生にはアカデミックパックという特別割引の販売がなされるようになり、この特典が使える人は非常に安く手に入ります。

特に、学生・教職員個人版 Adobe Creative Suite 5 Design Standard Windows版 (要シリアル番号申請)は、ここに紹介したソフトの他にさらに有用なデザイン関係のソフトをパッケージにして、なんとアマゾンでは56,000円で販売しています。

もちろん、教職員、学生の証明書は必要です。違反するとペナルティがあるので、教職員や学生はその他の人の便宜をはからないようにしてください。

3.実践

では、具体的にこれらのソフトを使って文書を作るにはどうするのかを説明します。

(1)文章

プロは文章作成でWordや一太郎などはまず使いません。
使うのはエディターと呼ばれるソフトです。
エディターで、どんどん文章を入力していきます。
なぜ、いきなりワープロソフトを使わないかと言うと、それなりの理由があります。
ここでは、そうした方が良いと覚えておいてください。

では、エディターというソフトはどうして手に入れるのかというと、有料の秀丸とかMIFESとかWZeditorという有名なソフトもありますが、フリーのエディターもたくさん出ているので、それを使うことで問題ありません。
私は現在、フリーのVxEditorを使っています。
Windowsについているメモ帳でもかまわないのですが、多量の文章には対応していませんので、注意が必要です。

(2)描画

基本的にはIllustratorを使いますが、すでに存在するカット集などを使う場合は、Illustratorに読み込んだりします。
読み込んだ絵の解像度か低かったり、レベルが低い場合は、読み込んだ絵を下絵にして再描画することもできます。再描画にはペンツールを使います。

Illustratorで制作した絵を、目的の画像形式に書きだしたりして、さらにPhotoShopで調整したりします。
写真などはPhotoShopで調整して、直接InDesignにもっていくこともあります。

(3)レイアウト

文章、絵、写真をInDesignに統合して、レイアウトを整えます。


以上、DTPの過程を簡単に述べましたが、これらの技術を身につけることは、大きな財産を持つことになると思います。
もしかしたら、本当にプロの世界で通用する仕事ができるかも知れません。

通用するかどうかは、最終的にはデザインのセンスによると思います。
また、解説書もたくさん出ていますので、それらを片手に技術を身につけることができます。

少し、本気でやれば先生ならできるようになると思いますし、仲間を作ってやればもっと励みになるでしょう。
さらには、この先生の書類はなぜかちょっと違うぞという、良い意味での差をつけることができます。

学校では、PowerPointを使うことが多いと思いますが、それらで使う材料にもなります。

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posted by edlwiss at 21:29 | Comment(4) | TrackBack(0) | パソコン
この記事へのコメント
dolceさん、こんばんは。
ソフトの件、すぐに教えてくださりありがとうございました。
文書作成はWordが一番!と思っていたのは、この私です(笑)
パソコンのことは得意ではありませんが、
dolceさんの説明がわかりやすくて、ぐっと興味がわきました!
少しずつ、身につけていきたいと思います。
今後とも、よろしくお願いします。

「在職中に実力をつける生き方」・・・本当にそうですね。
学ぶ姿勢をわすれずに、楽しんで実力をつけていきたいです。
ありがとうございます☆
Posted by kaori at 2011年04月02日 00:38
 素晴らしい説明をありがとうございます。貴方の説明を基にプレゼン資料をまとめ、貴方の論旨のままに、印刷用原稿の編集や配信用コンテンツ制作の実習教育に使わせて頂きます。

 MIFESですか。本当に懐かしい。私はUNIXの初期の文章入力やメール入力に使いました。当時のスーパーパソコンは今の携帯電話以下の性能でした。効率の良い、高速な入力が、高額な計算機の負荷を減らすために必須でした。

 写真はMacの初代ですね。懐かしいです。事業部長がこのマッキントッシュの初代を見て、「これをやれ」と言いました。「日本のメーカーには無理です」と答えたら、「日本語ワープロでやれ」と言いました。仕方なく、日本語ワープロ専用機を開発し、発売しました。大ヒットになりました。随分私は悪口を言われました。パクッタ。発想の乏しい奴。恥を知らない奴と陰口をたたかれました。

 しかし、売れに売れ、大手新聞社が社内の記者に使わせたいから、記者用の専用辞書を作って欲しいと営業と新聞社の担当から依頼されました。赤本辞書を開発し、納入しました。
お陰で、「辞書の研究開発をせよ」と言われ、辞書システムの研究をさせられました。これは国家プロジェクトでした。他社の仲間は皆さん優秀でした。大学の教授にそのまま横滑りしました。私は融通が利かないため、今も横丁のご隠居然と、楽しく貴方のブログを読ませていただいています。これも幸せだったのかもしれません。

 今年度、私もITを高校で教えたい、と考え始めました。今後とも、よろしくお願いいたします。
 
Posted by tsuguo-kodera@mail.goo.ne.jp at 2011年04月02日 08:02
kaoriさん、今晩は。

ごく大ざっぱですが、概要を説明させていただきました。
ソフトはプロ用ツールなので、ちょっと手ごわいところもありますが、それなりのものですから、ぜひ頑張って挑戦していただくとよいと思います。

引き続き「その2」を投稿しました。
あわせて、御覧ください。

何か質問がありましたら、私のわかる範囲でお答えします。
Posted by dolce at 2011年04月03日 19:45
tsuguo-koderaさん、今晩は。
いつもほめていただいて恥ずかしいのですが、概略だけ、教えて欲しいという方のためを思って記事にしました。

tsuguo-koderaさんは、ワープロの開発に携わってみえたんですね。
それは凄いことですね。

あのワープロの登場で、一つずつ活字を拾うようなワープロが姿を消しました。
先生で、ずいぶん投資した人がいましたが、博物館の飾りのようになってしまいました。

あのワープロ専用機で思い出すのはNECはMS-DOSを使っていたので、プログラムを作る人たちに人気がありました。
要するに、パソコンでもあったわけですね。
Posted by dolce at 2011年04月03日 19:51
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