2013年03月03日

マニュアル化でリスク軽減

光ケーブルを引くという契約の時、担当が変わる度に数回にわたって同じことばかり、録音機のように確認(説明)をするので「何回も同じことを言わせるな、いい加減にせよ」と言ったら「マニュアル通りにやっていますので」という返事が返ってきた。

jukucho.jpgそのせいか、説明はまるでロボットがやっているみたいで、わざわざ人間を使う必要があるのかと思うようになった。

どうも世の中は、マニュアルを作ってその通り言わせるということが進行しているように感じる。

なぜだろうと考えてみた。

■非正規労働者の増加

いわゆる派遣やパートタイマーの労働者が増えたことによるのではないかと想像した。

これは、企業が利潤を上げる方法を考えての結果だと思うのだが、非正規労働者の場合は、あまり教育期間がとれないこと、短期間の雇用になるかも知れないので、人により仕事の出来ばえに差が出ないようにする必要があるからではないかと思う。

あるパソコン専門店でパーツを買い、組み立てたところハードディスクが不良だったので、交換してもらおうと行った時も不愉快なことがあった。

その店は、小さな店舗から大きな店舗に変えたところだった。

店が小さかった時は、店員がその場で確認してすぐに交換してくれた。

しかし、店が大きくなったら、病院の受付のようなカウンターができて、女の子が対応するようになった。

「では、この書類に目を通してください」と言って、A4の用紙に細かい字でびっしりの印刷物を渡された。

次に「メーカーはどこですか?」と聞いてきた。

冗談じゃない。

「つい数日前に、パソコンを組み立てるために一式買って行ったパーツだよ。メーカー名なんてあるわけないでしょ?」

「あ、そうですか」・・・

とこんな風な対応に腹が立ってきた。

店を大きくして、パートタイマーを雇ったんだろう。

まるで頭が働いていない。

■塾の大規模化

塾も大規模化すると、先生が大勢必要になる。

いい先生はそんなに見つかるものではない。

そうすると、先生の当たり外れがないようにするには、やはりマニュアル化して、その通りやれば最低限苦情のないようにできる。その代わりあまりよい指導もできない。

つまり、マニュアル化すればリスクを軽減できる代わりに、優秀な先生の能力も発揮させないようになるわけだ。

こう考えてくると、ある自動車メーカーが「あの会社は、いつも80点ぐらいの車を作る」と言われるのを思い出した。

特に大衆車がターゲットの会社では、売れ行きによって生産を調節しなければならない。

臨時に労働者を増やしたり減らしたりしなければならないわけだ。

労働者を減らす方は解雇だけで済むが、雇う場合は教育が必要になる。

教育に時間を取られていたら、とても間に合わないし、価格競争に勝てない。

だから、マニユアル化しアホでもすぐ仕事ができるようにするわけだ。

塾も同じで、雇った先生がアホでもマニュアル通りにやればそれで間に合うという方法をとる。

実は、かつて、ある資産家から「君、塾長をやってくれないか」と頼まれたことがある。

条件として「まず塾長の給料は月50万で、あとは経営次第だ」と言われた。

これはいい話だと思った。

ところが、プランを作っていくうちに資産家は欲が出て、かなり大きな計画になった。

すると、大手に負けない精鋭の先生を揃え、生徒も少数主義でいくという話が後退することになった。

それは、先生の不足ということだ。

「学生のアルバイトでもいい。使ってみて悪かったらクビすればいい」

とは資産家氏の言葉。

これで、私は嫌になって、これにクビを突っ込んだら矛盾を抱えることになると思い、きっぱりと手を引くことにした。

ある人は、塾を経営するのに、何処何処の大手はこうやっているなどという。

私はそんな大手のやり方を参考にしてはダメだと言った。

その理由は、もう言うまでもなくマニユアル化で、工場のラインのような企業論理だからである。

私の知っている、中堅の塾では講師(先生)の新陳代謝が激しい。

当然、マニュアル化して、ロボットのようにさせなければ、経営は成り立たない。

マニュアル化でリスク軽減は、企業の収益の論理でもある。

〜マニュアル化は必要最小限にして、人が考える余地を残す〜

こうしないと、人はバカ化すると思います。





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posted by edlwiss at 23:12 | Comment(4) | TrackBack(0) | 教育研究
この記事へのコメント
 マニュアルの制作は、商品企画の最難問のひとつかも。いえ、最重要の課題だと断言し、論旨に賛同します。
 そのため、私の経験を伝えたくなりました。ワープロが初期の頃、操作マニュアルは薄かったのが、機能アップと共にどんどん厚くなり、辞書のようになりました。機能アップと共に初心者向けに製品はなっていったのに、マニュアルは初心者には手におえない本になってゆきました。ワープロは廃れました。
 今のスマホにマニュアルはぺらぺらの説明資料以外、ありません。いじくって覚えろと言う事かも。考えるなと言う事かも。年寄りは目も悪いし、指も鈍感。今私はスマホをガラケー以下で使っています。
 お説の通りに、マニュアル化をやめるには、顧客ごとに対応を変えられるプロ中のプロが必要かも。顧客ごとに、しかも社員ごとに最善の対応法が変わるから、です。組み合わせですので、天文学的な数字になるかも。難しいですね。
 そこで、私も今一度、研究をしたくなりました。でも、門外不出、秘伝で人の目には留まることはないのかも。
 今日もひらめきを頂きました。ありがとうございました。
Posted by tsuguo-kodera at 2013年03月04日 05:31
suguo-koderaさん、今晩は。

企業も人材を育てる余裕がなくなっているのかも知れません。

あるいは、職人芸的な仕事が少なくなっているのかも。

そのうちに、ロボットと人間の差がなくなるのかもと思っています。
Posted by dolce at 2013年03月05日 23:35
 有名な、世界最大のネットビジネスでは、チャップリンの映画どころではありません。人間はロボットや自動組みたて機械以下に扱われているのでは。ロボットが人間的になってくるのではないのでは。人間が機械以下に扱われてしまう時代がくるのかも。
 私は人間的な人間を育てたいのです。かなり柔な考え方ですね。コメントバックをありがとうございます。
 なお、9条こそ、主権在民で決めるべき、と考えています。庶民が賢ければ、問題はないのでは。つまるところ、児童教育に帰結すると考えています。
Posted by tsuguo-kodera at 2013年03月06日 05:49
>私は人間的な人間を育てたいのです。

この一言で決まりですね。
Posted by dolce at 2013年03月07日 22:22
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