2014年07月23日

机上の空論と言われないために

「○○するには□□すればよい」と簡単に言う人がいるが、言うは易し行うは難しで実現不可能なことを言うと、ホラ吹き、空論マニアの類にされてしまう。

「オオカミが出た」のオオカミ少年と同じで、真に受ける人はいなくなる。
(今度はまた何をバカなことを言うかと、バカにされて有名になるかもしれないが)

■オオカミ少年のレッテルを貼られないために

オオカミ少年にされやすいのは、ホラは吹くけど、自らは実践したことがないという人だろう。
だから、信用を得るためには、まず自ら実践してみること、でなければ、こと細かに手順を示すべきだろう。

身近な例では、テレビでよく放映される料理番組をイメージしてみる。

「和風カレー丼」の作り方と言ったら、作り方がイメージできるだろうか?
和風と言う以上、ただのカレー丼ではない。
親子丼をアレンジして、カレーをかければいいだろうぐらいの知識しかなければ、自分で作って自分で食べるなら、自己責任ということでかまわない。

しかし、家庭科の授業で、しかも公開授業でとなると「親子丼にカレーをかければよい」なんて言うのは無責任。
もし、それでやろうとしても、材料はどう調達するか、食器は何がいるか、調理室にはあるのか、・・・等々、具体的に考えておかなくてはならないことがたくさんある。

美味しい和風カレー丼にするには、食材の分量、調味料の分量を具体的な数値で何グラムと示さなくてはならない。

テレビでは、調理手順が示されるととともに、塩小さじ1杯、卵2個、・・・などと表示される。
それでも、初めて作る人には自身が持てない。
だから「今日放送のテキストは"今月の料理”に載せてあります」と紹介がある。

先日放送の料理番組では、講師が「塩は塩の入った瓶で、直接かけるのではなく、必ず必要量だけ匙にとって使ってください」と言っていた。
理由は「塩の瓶を直接、鍋の上に持って行くと、湯気が塩に入って湿るから」と説明していた。

このようなことは、実践を積んだ人だから気づくことだろう。

もし、このブログを読んで見える人がいたら「和風カレー丼」とは、いったいどんなものなのか、まず自分で考えてみたのち、こちらを見ていただければ、自分の想像との違いがわかると思う。

■言うだけ人間は無責任

私は、コンサートに携わることが多い。
携わり方は、聴衆として、主催者として、演奏者としてといろいろな立場がある。

ただ聴衆で行く場合は気楽である。
しかし、その他の立場の時は、神経をつかうことが多い。
舞台監督、会場係、・・・など、係がプロの場合はいいが、コンサートを聴きに行った経験しかないという人が企画すると大変である。

専用のコンサートホールでやる場合はいい。
そうでなくて、たまに変わったところでやろうとする場合は大変である。
コンサートを行うという前提の会場ではないからである。

これも、日頃、机上の空論しか言わない人は「やることにしよう」と言えば、それだけでできると思っているから厄介である。

電源は、控室は、譜面台は、配置は・・・などもろもろのことを考えていない。
空調の音が邪魔になって、演奏者に気の毒だったこともある。

「会場がお粗末だから、一流の演奏家が来てくれない」と言っていた人がいた。
それは、全く「わかっていない」人である。

演奏家が行きたくないと思うのは、演奏者が不自由なく演奏できる環境を整えないからである。

完成したばかりのホールでの演奏を頼まれたことがある。
「ピアノは大丈夫ですか?」と念をおしておいたが「新品だから大丈夫です」と言っていたので、不安を感じていたが、案の定、調律がしてなかった。

最近は係が、いかにもプロという格好をしているが、コンサートにはどういう環境を整えたらよいかということがわからない人がいる。
普通は、音大を出た人や、自分も演奏者としての経験があるという人が係をやるので、見落としはないが、格好だけのプロは、中身は素人なので、演奏者の機嫌を損ねることがある。

コンサート専用のホールなら、譜面台が足りないとか、違うピアノ椅子が要るといった場合、すぐ用意できるが、そうでない場所では調達できないで大変なことになる場合がある。

演奏家は余計なことに気を遣わないで、演奏に集中できるところへ行きたいのである。

■ICT機器の利用を簡単に言う人は、まず自分でやってみること

配慮は、料理番組とおなじであるが、脇役となる周辺機器が大切である。
最近はパワーポイントでプレゼンテーションを行うことが多いが、その時主役と言える機器はPC、プロジェクター、スクリーンで、これらは目立つから大抵の人はピンとくる。

しかし、これらも、周りによく知った人がいて、スムースに行っていることが多いが、いざパワーポイントでプレゼンテーションをするからと言って、自分の作った資料とPCしか持って行かない人は、時に立ち往生することがある。
機器をつなぐケーブル、コネクターがない、規格が合わないなど。
実践を多く積んでいる人は、こういうことで苦労した経験もあるので、ぬかりあはない。
だから、言う前に自分でやってみろと私は言いたいのである。

まして、学校の授業で教科書代わりにタブレットを使うと、簡単に言う人はまず自分で実践してみるべきだ。
どんなタブレットを使う?
タブレットには、どんな方法で資料を転送する?
タブレットのネットワークはどう接続する?
電源は?
保管は?
等々、何の問題もない如く、実践経験を経て本番に臨まなければ、机上の空論だけでは実現できない。

ただ、そういう授業をやれとだけ一言だけでやらせられる立場の人は、校長である。

私はかつて小学校に勤めていたことがあり、視聴覚を担当していた。
校長が視聴覚機器を使った、先進的な教育をやりたいという気持ちを持っていて、私に「これこれ、こういうことをやってくれないか」と相談を持ちかけられた。

私は費用と環境面の理由でできないと断った。
ところが、校長は数日後「君が必要と言ったものは、全部揃えることにした」といったので、やらざるを得ないことになった。
もちろん、実現の運びとなったわけだが、大した校長だと思った。

言うだけでなく、実行する人だからだ。

校長はやりたいことを、教育委員会や市に働きかけて、実現させられる立場にある。

ものごとを簡単に言う人は、自分がそう言える立場にあるかどうか、考えてみることも大切だ。


リコーダーに関心のある方→コリーナミュージック


教育に情熱を



にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ


posted by edlwiss at 23:38 | Comment(2) | TrackBack(0) | 教育研究
この記事へのコメント
 そうですね。その校長はとても優れた人ですね。素晴らしい経験だったと私には思えてしまいます。
 しかし私が校長なら多分お金集めはしません。お金の用意はできたとしても、ついてくる先生が居なければ宝の持ち腐れ、最高の視聴覚教室も管理人様だけが使うための専門教室化すると予想できます。それほど自分を高く買っていませんので。
 校長の指示にきちんとついてくる複数の先生や教頭や副校長がいて、初めて挑戦がスタートしたはずです。運用を含め導入に成功するのはトップが所属員から尊敬されていないと不可能でしょう。
 鍵管理、清掃、用具管理、利用簿などなど良い運営をする少なくとも数人の先生に校長先生が慕われていることが良い運営のカギでしょう。
 自分もできないと私なら判断することになるでしょう。管理とは本当に難しい仕事です。その人の全人格がなせる業かもしれません。
 良い上司に恵まれる部下は少数派でしょう。グッドラックと何時も挑戦者に言っています。言うだけの人の方が多いのが世の中ですので。
 お互いに幸運でしたね。良かったですね。
Posted by tsuguo-kodera at 2014年07月24日 04:31
実は「やって欲しいと言われたのは」音楽クラブを作って、対外的に演奏ができるようにしてほしいと言われたことが、実際です。

視聴覚関係は、放送室と音楽室のアイデアを頼まれたことです。校舎新築の時でしたから。

音楽クラブは、小学生(4年以上)の課外活動は大変と考えていましたので、楽器を揃えるなど予算的に難しい理由を話してあきらめてもらうのが、私の作戦でした。
しかし「買う」と言われたので、後に引けなくなりました。
多分、私が大学時代には指揮をしていたのを知って、校長は言ったのでしょう。
Posted by dolce at 2014年07月24日 23:37
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。