教員は文書を作成する作業が多い。
文書作成のプロを目指すというより、すでにプロと言えるのかも知れない。
どちらにしても、文書を作成において、今日の最も先端のノウハウを身につけることは、教員にとって武器になることは間違いない。
すでに、実践している人にとっては当たり前のことなので、読み飛ばしていただければいいと思うが、文書作成といえばMicrosoft Wordしかないと思っている人にとっては役に立つことと思うので、今まで私がやってきたことを通して紹介してみたいと思う。
1.DTP(DeskTop Publishing)それまで、活字を拾うなどして出版の仕事は行われていた。
それが、パソコンでできるように仕事が集約されることになったことで、印刷業界には革命的な異変が起きた。
パソコンとそのソフトがあれば、誰でも版下が作れるようになったからである。
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それはMacintoshから始まった。Macintosh(マッキントッシュ)と言えば、米Apple社のパソコンと思っている人は多いと思う。
そうには違いないが、MacintoshはMacintosh研究所の思想をApple社によって実現したものである。
Macintoshが画期的であったのは、今でこそ当たり前のように思うが、マウスで絵が描けてしまうことだった。
他のパソコンでは難しかったことが、Macintoshではいとも簡単にできてしまったのである。
もちろんまだWindowsは存在しなかった。と言うか、Windowsは明らかにMacintoshの真似であるということから、訴訟問題に発展した。
2.DTPで使われるソフトウエアプロのデザイナーを目指す人が、買い揃えるソフトが以下の3つで、三種の神器と言われる。


(1)Illustrator
「イラストレーター」と読みます。プロのデザイナーの間では「イラレ」と呼ばれています。
絵を書くソフトであり、まさにこのソフトがDTPを牽引したと言えます。
Adobe(アドビ)という会社が開発し、DTP関係のソフトに関して強い力を持っています。
DTPの技術を身につけるには、まずこのIllustratorの操作を身につけることが肝心です。
絵を書くソフトと言えば、WindowsについてくるPaintソフトのようなものを想像する人がいるかも知れませんが、そのようなイメージを描いていると、戸惑います。
このソフトの攻略のポイントは「ペーツール」の操作をマスターすることだと思います。
初めての人は、何でこんな使いにくいソフトをと思うかも知れませんが、それはこのソフトの凄さを知らないからであり、使い方がわかってくるとその威力を知ることになると思います。
このソフトが他の描画ソフトと大きく違うのは、他のペイント系と言われるソフトが、いわゆる塗るという感覚で、点の集合体で絵を作っているのに対し、Illustratorはベジェ曲線と言われる関数からできているという点です。
これは、モニターやプリンターの解像度に依存することなく、無限の連続で絵を書いているということです。
だから、パソコンで作った絵が、出版業界で使われる版下になることができるのです。


(2)Photoshop
「フォトショップ」と読みます、画像を編集するソフトです。
これで絵を描いている人もいますが、通常は、写真の加工やIllustratorで作った絵を他の形式の画像データに変換して編集したりするのに使われます。
Illustratorと同じAdobeの製品です。


(3)InDesign
「インデザイン」と読みます。同じくAdobeの製品です。
これは、新聞やチラシのレイアウトを作るのに使われます。
このソフトだけで、通常のワープロソフトのように文字を入力すこともできますが、プロは普通、エディターと呼ぶソフトで作った文章(テキストデータ)を、このソフトに流しこむようにして使います。
全体の調和を考えながら、写真や図、文字の大きさ配置などを自由自在に調節できます。
こういうレイアウト専用のソフトに使い慣れると、もうWordに戻れなくなるでしょう。
実は、このInDesignは比較的新しいソフトで、以前はQuarkXPressというソフトが三種の神器の一角を占めていました。そして、それにPageMakerというソフトが対抗していました。
商用の印刷物の版下を作る出力センターの圧倒的信頼を得ていたのがQuarkXPressで、Quark社によって作られましたが、現在はInDesignにシェアを奪われています。
InDesignは特に日本語に強いので、これから使う人はInDesignを選択した方が良いでしょう。


以上、DTPにおける三種の神器を紹介しましたが、すべてAdobe社の独占状態ですが、他の追従を許さないため、いたしかたないでしょう。
独占状態だからというわけではないですが、これら3つを揃えると、結構な価格になります。
私がこれらを揃えた頃、全部で40万円ほどかかりました。
また、Macintosh版しかありませんでしたが、Windows版も開発され、それまでDTPと言えばMacintoshの独壇場で、出力センターもMacintoshにしか対応していませんでしたが、最近はWindowsでも対応するようになりました。
その上、教職員や学生にはアカデミックパックという特別割引の販売がなされるようになり、この特典が使える人は非常に安く手に入ります。
特に、
学生・教職員個人版 Adobe Creative Suite 5 Design Standard Windows版 (要シリアル番号申請)
は、ここに紹介したソフトの他にさらに有用なデザイン関係のソフトをパッケージにして、なんとアマゾンでは56,000円で販売しています。
もちろん、教職員、学生の証明書は必要です。違反するとペナルティがあるので、教職員や学生はその他の人の便宜をはからないようにしてください。
3.実践では、具体的にこれらのソフトを使って文書を作るにはどうするのかを説明します。
(1)文章
プロは文章作成でWordや一太郎などはまず使いません。
使うのは
エディターと呼ばれるソフトです。
エディターで、どんどん文章を入力していきます。
なぜ、いきなりワープロソフトを使わないかと言うと、それなりの理由があります。
ここでは、そうした方が良いと覚えておいてください。
では、エディターというソフトはどうして手に入れるのかというと、有料の
秀丸とか
MIFESとか
WZeditorという有名なソフトもありますが、フリーのエディターもたくさん出ているので、それを使うことで問題ありません。
私は現在、フリーの
VxEditorを使っています。
Windowsについているメモ帳でもかまわないのですが、多量の文章には対応していませんので、注意が必要です。
(2)描画
基本的にはIllustratorを使いますが、すでに存在するカット集などを使う場合は、Illustratorに読み込んだりします。
読み込んだ絵の解像度か低かったり、レベルが低い場合は、読み込んだ絵を下絵にして再描画することもできます。再描画にはペンツールを使います。
Illustratorで制作した絵を、目的の画像形式に書きだしたりして、さらにPhotoShopで調整したりします。
写真などはPhotoShopで調整して、直接InDesignにもっていくこともあります。
(3)レイアウト
文章、絵、写真をInDesignに統合して、レイアウトを整えます。
以上、DTPの過程を簡単に述べましたが、これらの技術を身につけることは、大きな財産を持つことになると思います。
もしかしたら、本当にプロの世界で通用する仕事ができるかも知れません。
通用するかどうかは、最終的にはデザインのセンスによると思います。
また、解説書もたくさん出ていますので、それらを片手に技術を身につけることができます。
少し、本気でやれば先生ならできるようになると思いますし、仲間を作ってやればもっと励みになるでしょう。
さらには、この先生の書類はなぜかちょっと違うぞという、良い意味での差をつけることができます。
学校では、PowerPointを使うことが多いと思いますが、それらで使う材料にもなります。



